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2009/01/25 (Sun) 12:10
Knight of peace 序章(8)

始めから

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「ピースのヤツ、どこ行ったんだ?」
 城に入れたはいいが、早々に置いてきぼりを食らったスレイは、思わずぼやいた。ピースのせいではないのだが、言わずにはいられない。
「まったく……、帝国兵がどこにいるのか分からないって言うのに……!」
 そう言いつつも、スレイは振り返りざま、そこにあった気配を切った。練習用の剣では、切れる訳が無いのだが、相手にはそれで十分だった。
「うわっ!」
 不意を突いたつもりが逆に突かれ、帝国兵はたたらを踏んだ。その隙を見逃さないスレイは、その男を引き倒した。そして、走る。とどめは刺さないし、刺している時間も無い。
「急げ……! くそっ、何でオレの足はこんなに遅いんだ!」
 今さらどうしようもないことを嘆きつつ、走るスレイ。そんな彼の目に、他とは違う、巨大な扉が映った。彼の目指していたのはここである。ピースが真っ先に来るのは、ここしかないのだから。
「ピース! うわっ!」
 絶対にいるとは思っていた。だが、扉を開けた目の前にいるとは思わなかった。
「痛っ! おい、何でこんな所で突っ立って……!」
 その時、スレイも気付いた。肩を振るわせるピースの向こうで、起こっていることを。

素朴だが、大きな玉座。本来そこに座っているはずの人物。その人物が、今は床にいる。赤い水が、その大柄な体の下から滲み出ている。もはや、その瞳に、生きている者の光はない。

「……父上!」
 今まで黙っていたピースが、初めて言葉を発した。彼の青い瞳には、怒りが滲み出ていた。そして、持っていた剣を、きつく握りしめた。
「……! ピース、待て!」
 いち早く、彼の気持ちを察したスレイは焦った。いくら何でも、たかだか14才の子供が、しかも練習用の剣で、訓練を受けた軍隊の兵士にかなう訳がない。だが、スレイの制止などまるで聞く気のないピースは、おそらくは将軍クラスと思われる男に向かっていった。

「あの、馬鹿! くそっ!」
 スレイも続いたが、足の速さでは、圧倒的にピースの方が上なのだ。ピースはすでに、敵の目の前まで迫っていた。相手だって、それは分かっているから、ゆっくりと身構えた。

 次の瞬間、ピースは大きく跳躍した。見ていたスレイも、身構えていた将軍も、何が起こったのか、把握し切れなかった。ピースは、将軍を飛び越えつつ、空中で体の向きを変えた。

「!」
 向きを変えつつ、将軍に一撃を加える。リンダが得意とする技だが、ピースも見よう見まねで覚えていた。そのことに気付いたスレイは、同時に、弱点にも気付いていた。そして、将軍もまた、この技の弱点は良く知っていた。振り返りざま、足元めがけて、剣を振るった。

 スレイには、スローモーションの映像を見ているようだった。無防備になる着地を突かれ、ピースの肩から、鮮血が噴き出した。


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